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貴方と共に、何処までも参りましょう。 その言葉を最後に、彼は消えた。 鳥の羽ばたきに、まだ気づかない。 此の身に纏わり、離れない。 がめつさに邪魔をされたから。 時の絡まりに、また囚われて。 後悔先に立たずなら、最初からやりません。 此の身は既に、朽ち果てたのですから。 貴方と共に、何処までも参りましょう。 その言葉を最後に、彼は消えた。 そうして、彼の居なくなった世界は、 とても綺麗で、ひどく醜いものだった。 私が此れ程迄に、焦がれているモノを。 どうして解らないのでしょう? ひとくちで全て破棄された。 確かな記憶と、幽かな思い。 どうしても羨ましいので、 見なかったことにしたが。 どうして否定出来ましょうか。 許せない。 許せるものか。 貴方と共に、何処までも参りましょう。 その言葉を最後に、彼は消えた。 何年前かに、行方を晦ました。 食塩水の見た目は、 奴を殺す為の、ふざけた言い訳です。 既視感とも言います。 揺らぎ、隙を見つけられた。 願うばかりで、 果たせなかった。 貴方と共に、何処までも参りましょう。 その言葉を最後に、彼は消えた。 そうして、彼の居なくなった世界は、 とても綺麗で、ひどく醜いものだった。 生涯、貴方を怨みます。