全て虚栄の所為です。
夜道[short] | 32 | |
772 | 暗い夜道、 脚が凍る。 雫 堕ちて、 音を立てる。 冷たい風が吹いた、 走り出した。 息が冷めて、 寒気がして。 怖くなって、 藻掻きました。 夜の冷たい空気が、 止まってた。 棄てられた街の中、 抜け出せない儘。 ああ夢の中、 目を閉じ、 彷徨っては冷えていく。 その夜の寂しさだけが、 身体の中 通り抜けてた。 ああ何時か来る、 終わりが、 心の中閉じ籠る。 その夜は不思議なくらい、 灯りが無くて暗いのです。 |
÷ | 31 | |
860 | 記憶、留めず儘に 連れ去られてく、 痛み、感じ逃げて往き 言葉、詰まらせる。 脆く、昏く、 差し込んだ、 言葉は吐き捨てられ。 深い、残痕は、 夭折 消え失せた。 怖くなって逃げ出した、 惜別を探してた。 頭を抱えるミメシス 沈んで縺れてく、 渇き、顧みず、吐き出す。 慨歎に身を隠す。 追呼、呼び止めた、 あの日も、消し去って。 止まる模倣、遮られ、 響く、ヘモフォビア。 衒う、生ず、 啄まれ、 噤んだ幽世へ。 黒い液体が、 漏れて歪められる。 裏に留めた 移ろい、 血液を混ぜました。 慨歎に身を隠してた、 模倣を吐き出して、 沈んで、縺れて、 吐き出す。 全て虚栄の所為です。 慨歎に身を隠してた、 模倣を吐き出して、 沈んで、縺れて、 吐き出す。 全て▇▇の所為です。 壊れた因果のミメシス、 形を吐き出して、 沈めて 涸らして、 頽れ。 虚栄を伏せた。 |
明/暗 | 34 | |
1496 | 暗い箱で、 ジリリとベルが鳴る。 影は耽り、 霧の中 目を覚ます。 翳り 潜む、 皆無な悄然が、 音を立てず、 厭われるモノフォビア。 羸弱した其の目、 背徳の淪落、 仕儀が隠されたる衝動で、 文字を消したのです。 此方を覗く三面鏡、 鍵を投げ捨てて。 グチャリと剥がれた、 その記憶からの差違です。 後ろを向いて呻いてる。 其処に潜む、 釦の背後の死。 罅割れてく、 蠢毒の針を刺して。 影を鳴らす、 其の奥のゴミ箱。 皮相被り、 あなたへとにじり寄る。 言葉は噛み合わず、 漏れて出た血液、 配線が縺れて死に至る。 目も当てられず。 鍵を壊した教戒が、 あなたを捜して。 べたりと離した、 誰かの声で歪んでく、 目を覚ましてはいけません。 言葉は噛み合わず、 漏れて出た血液、 配線が縺れて死に至る。 目も当てられず。 鍵を壊した教戒が、 あなたを捜して。 べたりと離した、 誰かの声で歪んでく、 此方を覗く三面鏡、 鍵を投げ捨てて。 グチャリと剥がれた、 その記憶からの差違です。 目を覚ましてはいけません。 |
水底 | 19 | |
632 | 遊離した彼方の不知火が、 変わらず解けない儘。 川底沈んだ傀儡が、 魂抜かれ壊れ。 水中に響いた言葉すら、 花弁が舞い散る華の様で、 変わらず沈んで溶けるのです。 全て虚栄の所為です。 |