全てきみらの所為です。
快楽 | 74 | |
2306 | 君がそこからいなくなってても、 誰もそこには辿り着けやしないのでしょう。 あなたがそこに居たとしていても 影は広がりゆくのです。 彼がここからいなくなっていて、 君は大きな何かに蝕まれるのか。 誰もここから出られなくなっても、 影はそこから消えてくのです。 体を蝕まれていく様だったのです。 路傍へと落ちていく水銀を飲んでも、 あなたは戻らず儘で。 気概へと変わっていくあなたの視線で目覚め 悔いてもそれは広がってく。 君がここからいなくなってても、 君も束縛から逃げてく、 その筈でしょう? 誰もここには存在しなくて、 厭けた化学は錆びていく。 焦げた快楽、錆び付いて減ってく。 真似た大きな影に触れて、離されてく。 刺した針から滑脱が出ても、 擦れた譫妄、 伐れてくのです。 何もかもが消えて往く様だったのです。 骸へと変わっていく彼を眺めていた。 彼等も戻らず儘で。 孤独へと進んでく私の視点は変わり、 弔意へとそれは塗り替わる。 |
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5034 | 砂埃に吐き捨てたモノ、 弧を描いた夢寐の中に、 知らず識らず護符に追われて、 割られ続くリフレイン。 気持ちの良い雨に誘われ、 頭蓋の下のマセマティカ、 続く続く夢魔に魘されて、 苦しみ泣くのでした。 喉を掻き、 二度目も同じ、 ナメクジは死ぬのでしょう。 それは紋切り型のモノで、 手を拱く地平線、 逃げても逃げても窓は見えず儘、 意味もわからない儘で。 それはエスノセントリズムの、 蔓延る桎梏の園、 後にも先にも棘が蠢いた、 灼熱欺瞞の鏡。 藻掻いている掃き溜めに鶴、 上辺だけを塗るサインは、 土に泥に混ざれないのを、 ただ眺めるだけでした。 気持ち悪い音に誘われ、 耳介の中のレディメイド、 終わる終わる言葉引延し、 喜び鳴くのでした。 下を噛み、 鼻を挫いた、 ナメクジはしないのです。 それは紋切り型のモノで、 手を拱く地平線、 逃げても逃げても窓は見えず儘、 意味もわからない儘で。 それはエスノセントリズムの、 蔓延る桎梏の園、 後にも先にも棘が蠢いた、 灼熱欺瞞の鏡。 這い蹲り頭を垂れ、 重い雫を抱え込む。 全てきみらの所為です。 それは紋切り型のモノで、 手を拱く地平線、 逃げても逃げても窓は見えず儘、 意味もわからない儘で。 それはエスノセントリズムの、 蔓延る桎梏の園、 後にも先にも棘が蠢いた、 灼熱欺瞞の鏡。 柔らかい髄を、 沢山の快楽で、 融かそうとしていたのか。 |
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2554 | 崩れ落ちて叫ぶ商人が、 知る術もなく沈んだ。 みんな逸れ見えなくなり、 死んで塵となるのです。 聞こえる音は心地よくて、 知らぬ間に溶けて行く。 水の音が響いて来たら、 あの世導かれ沈む。 消えて行くのです。 ガラクタ探る。 誰かのハサミで離される過去、 記憶が消えてく。 全て散り屍となり、 死へと誘われるでしょう。 聞こえる音は心地良くて、 知らぬ間に堕ちて行く。 彼の音が聴こえてきたら、 全て幻と言える。 水の音が響いて来たら、 知らぬ間に消えている。 去れない儘で終わるのなら、 全てきみらの所為です。 全てまやかしで。 差し込まれ、 崩れ落ちて叫ぶ商人が、 |
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944 | 崩れ落ちて叫ぶ商人が、 知る術もなく沈んだ。 みんな逸れ見えなくなり、 死んで塵となるのです。 聞こえる音は心地よくて、 知らぬ間に溶けて行く。 水の音が響いて来たら、 全てきみらの所為です。 |