全てが滑稽です。
𝋢 | 43 | |
302 | 追い風の吹く箱の外、 前を向かずに歩いている。 演説の声が響いて、 烏滸がましく感じた。 許しを願うその姿、 類のない程滑稽だが、 さぞかし私も同じでしょう。 何も言えないのです。 意味も無く、 甲斐も無いのに、 埒も無いことを知らない。 それは靉靆たる闇、 欲を捨てきれていないのです。 泡になって消え去った、 あなたを待つだけ。 それは失われたメロディ、 然も鵜の真似をする烏で、 求めても無いモノでしょう。 如何なモノかと。 囀り方を、 忘れてしまいました。 全てが滑稽です。 朽ち木は柱にならぬか、 |
デルタ | 35 | |
623 | 交差点のマンホールの 溝に溜まる行潦は、 未だ美しく見えず、 日が昇るまで待ち続けた。 屋根から落ちる雨を、 長い間見ていたのです。 行きつく場所を尋ね、 地図を作り上げました。 過ぎ去る景色、 白く燃える、 走馬燈の様に流れていく。 待ち続けるのは相転移、 解を導き出して。 推敲を重ねても、 辯舌の癖は抜けません。 照り返す西日を遮り、 街灯の目を覚ます。 孤独は妄想と、 追憶して、 賢路を塞ぐ。 忌むべき申しは、 泥中へ、 すぐに捨て去るべきです。 馬鹿な真似は止めなさい。 色の無いはずの翼が、 繧繝に彩られる。 推敲をしても、 辯舌の癖は抜けません。 照り返す西日を遮り、 街灯の目を覚ます。 孤独は妄想と、 追憶した。 卦体が悪い! 忌むべき三角州の 出口、 全てが滑稽です。 |