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追い風の吹く箱の外、 前を向かずに歩いている。 演説の声が響いて、 烏滸がましく感じた。 許しを願うその姿、 類のない程滑稽だが、 さぞかし私も同じでしょう。 何も言えないのです。 意味も無く、 甲斐も無いのに、 埒も無いことを知らない。 それは靉靆たる闇、 欲を捨てきれていないのです。 泡になって消え去った、 あなたを待つだけ。 それは失われたメロディ、 然も鵜の真似をする烏で、 求めても無いモノでしょう。 如何なモノかと。 囀り方を、 忘れてしまいました。 全てが滑稽です。 朽ち木は柱にならぬか、