つりー〈TREE〉
昏 | 16 | |
300 | 名のない木の下で 時間をおいてった 彼者誰時の公園に ただ闇が走る 今朝は雲一つない 霜日和の空 涼しい 朝の 長い 影の 人の息が凍る 太陽が真上を過ぎ去るときに 手に持つスマホを眺めてるだけ 時間はもうすぐ十六時 心配するのはもうやめた 意外にも 無感情で 足はすでに動かない いつもの信号の下で 時間をまっていた 日が暮れそうな交差点で ただ■が走る 今夜は雲一つない 星夜の空 なにも 感じず 昏く 飛び 星の光を受ける 満月が真上を飛び去るときに 手に持つ花を眺めているだけ 時間はもうすぐ夜夜中 後悔するのはもう遅い 感情を持つのは 遅すぎて 脳の思考はすぐ止まる 時間はもうすぐ十六時 心配するのはもうやめた 当然にも 無感情で 今はあの日の交差点 |
拘泥 | 49 | |
786 | 思考に身をゆだねたまま 家を飛び出した 夜明けの始発列車の中で 思想となにか繰り返し 追いかける何かを 想と忘を繰り返し 生み出されたものに 火をつける 昨日は■■■■の日でした 今日に期待した自分がいた 晦渋な話を理解した 拘泥するほど嫌になる 今日は■■■■の日でした 明日に期待した自分がいる 無理難題を押し付けて 今日もあなたの背で息をする |
懊悩 | 16 | |
201 | 悄然とした凡人は 時間を過ごす 無計画に家を出て いつもの公園へと走り 変わらない友の言うままに また日付が変わる 何もない日が終わる また明日が始まる 「このままでいいのか」と。 明日の天気は雨らしい 先の見えない凡人は 見えない何かに連れられて 意気投合する旧友が 目の前から消えました 雨上がりの瀦の 底には何がありますか だれも知らない答えを求め 今日も一人で行く 何もない日が終わる また明日が始まる 「なにがしたいのかと」。 明日の天気は晴れらしい 明日が見えない凡人は 昨日までの物語を 何も考えずに一心に ただ思い浮かべるだけ 埃をかぶった棚の CDはノイズ混じり 二度と戻ることのない 記憶の中の話 悄然とした凡人は 明日の希望も持てずに 中立的な為人 空隙を埋めていく |
猗歟 | 32 | |
600 | 戯言に身を任せ 無意義な会話を延々と 夜明けのこの町は いつまで続くのだろうか 小糠雨降る朝の街頭は いつもの日常的な風景 時間に身を任せ歩けど歩けど 心に残るものは筆舌つくし難い 今日の朝 聞いたのは 電車の音と 発車ベル 今日の朝 聞いたのは 町ゆく人の 伝播音 昨日消えた物語は 明日に繋がるメッセージ そこから感じるものは ただ一つ 「猗」でした 糠雨が降る街の路地裏は どこか静謐な雰囲気で 解けない感情を背後に感じて そこには何もない空間が一つあった 今日の朝 聞いたのは 誰かの 諺と情 今日の朝 聞いたのは 町ゆく人の 第四次元 昨日消えた物語は 明日へとつながるプロローグ そこから感じるものは ただ一つ 「歟」でした 人に拘り泥濘に 落莫した時は 真夜中に降り注ぐ 無観客の演奏を 意識が昏々とする 悪意のない行いは 無傷の者の言葉 「李下に冠を正さず」 戯言に身を任せ 無意義な会話を延々と 夜明けのこの町は いつまで続くのだろう 昨日消えた物語は 明日に繋がるメッセージ そこから感じるものは ただ一つ 「猗歟」でした |