排されて終わるのなら、 叶わないけど、どうも忘れかけで。 殺されて終われたなら、 幸せだったなんて言うなよ。 二人の月。 揺れていた息が湿る、 濡れたままの空に微睡んでいるだけ。 二粒の命の音、 アスファルトの熱で溶かされていくだけ。 翳り消えるバケモノにさ、 潜み気づかれないように。 憾み沈む闇夜の底、 瞼閉じれず儘で。 排されて終わるのなら、 叶わないけど、どうも忘れかけで。 殺されて終われたなら、 幸せだったなんて言うなよ。 二人の月。 昨日もさ、干乾びていく、 夢の声が、夢の声が薄く伸びて。 一つだけ塞ぐ穴を、 既に凪いで揺れる体と跳ねている。 夜に差した釘の先に、 注ぐ気づかれないように。 二つ揺れる玉響には、 何か意味があるのです。 排されて終わるのなら、 叶わないけど、どうも忘れかけで。 殺されて終われたなら、 幸せだったなんて言うなよ。 二人の月。 終わるのなら、 叶わないけど、どうも忘れかけで。 殺されて終われたなら、 幸せだったなんて言うなよ。 二人の月。