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誰もあらわれない空間に、 独りほほえみかけている、 誰もうつらない電子のなか、 君はなにをみつめているの? 誰もあらわれない空間は、 静寂におそわれている、 誰かがきみをわらう、 不愉快に、 誰もいないまどの奥で、 夢のなかの様でした。 狂いだした時計の中、 片方の針はうごかない。 壊れかけの遺志をなおすように、 操られていたのです。 なにも見当たらない感情に、 独りわらい続けている、 心を閉ざした過去の中、 君はなにに怯えているの? だれも思い出せない疵口は、 喧噪に包まれている、 なにかが啄み鳴く、 不愉快に、 なにも映らない空間で、 それは夢に消えた様だった。 狂いだした時計の中、 片方の針は動かない、 壊れた自我を搔きあつめる様に、 操られていたのです。