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ありふれてる死を遠ざけても、 偲ぶれど篠突く雨は降る。 無限に続く渦の中で鷹は、 旋回する微睡みを。 色界は卑下、月影は皓、 悪辣片手にヘドロは嗤い出す。 死骸逆巻く十三番目の被疑者。 そのエランヴィタール。 トドメの辿々しい逸楽の世界。 紺青に沈む今生の別れに咲いた、 あなたの頭蓋に咲いた、 彼岸花を節穴の目に捧ぐ。 目に余る蔭、黝い棘 行く手を遮る不穏の嵐さえ。 秘匿の間人、陵に溶け込む マロニエの花咲きし頃。 仄めく悔過を愛して卒塔婆。 誰彼構わず呪い殺さば またツギハギの花、意中の鳥、 閉じ込めてしまわば雲ぞ恋し。 ありふれてる死を遠ざけても、 偲ぶれど篠突く雨は降る。 無限に続く渦の中で鷹は、 旋回する微睡みを。 逃げられません? 逃がしはしない。 胃液で融けるは優しき 日々のテトラトリ✕テトラ。 裸の特異点に事象の命をもぐ。 あなたの所以を取り出す。 語り手を殺…