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尽れて消える末の地平を、 独りの賢者が、 見据えた空に託し、 海底へと。 抗うことはできるのか? その力から、 その犠牲から、 無に帰すことを恐れ、 立ち止まるなら、 常なるままに。 輪廻へと繋ぐ道を往く、 一つの囚人が、 電子の川を流れ、 解放する。 抗おうとするのならば、 その力さえ、 その犠牲さえ、 繰り返す事を知り、 変遷の波に、 呑まれるまま。 数多の偶像なる真人が、 継ぎ接ぐ世を満たす、 記憶から消えぬように、 また此処に手紙を遺す。 数多の想い紡ぐ梯が、 浮世に身を匿む、 記憶から消えぬように、 また幾星霜で夢を見る。