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地面を這いずる鳴き虫が、 ヤグルマギクをひとつ摘みまして、 間違いだらけの詩と共に、 ナイフを入れてゆくのです。 味を占めた偽善人が、 為せば成ると謳い目を背ける、 正しい電磁波が途絶えて、 概念を作るのです。 軋む音、 ラジオをつけて、 井戸の底へ沈んで行く。 それは青い景色が、 霞んでいってしまう様で、 逃げる事も 瞬きさえも、 許されはしないのです。 雨垂れが語り掛けた、 ノイズ混じりの音を塞ぎ、 想えばあの時のココロの、 痛みが止まないのです。 終わりも見えず先も見えず、 路頭に迷い立ち眩み臥せる、 カセットの中のエゴイズム、 情け無く損壊する。 渡る世間に鬼はなし、 短慮に嘯いた烏が翔ぶ、 しがない道を抜けた先で、 概念が壊れるのです。 軋む空、 ラジオの涙、 井戸の底が無いと気付く。 また 青い景色が、 霞んでいってしまう様で、 逃げる事も 瞬きさえも、 許されはしないのです。 雨垂れが語り掛けた、 ノイズ混じりの音を塞ぎ、 想えばあの時のココロの、 痛みが止まないのです。 懐かしい聲に驚いていた、 戻れないと知るあの頃は、 全て夢の様でした。 それは青い景色が、 霞んでいってしまう様で、 逃げる事も 瞬きさえも、 許されはしないのです。 雨垂れが語り掛けた、 ノイズ混じりの音を塞ぎ、 想えばあの時に覚えた、 感嘆は何処に?