真夜中 陰に潜む、 気短な密売人が、 軽い腰を上げて、 平凡を齧るのでした。 漏れる液体は、 恐怖を増して止まらずに、 複雑に嘆く声、 消しゴムを擦る音、 周囲を周る音と向き合わず儘、 無だけを見出づり続けるのは、 前後不覚 ナイフ持つ虚栄心。 視点を変え 束縛された、 無自覚の錯乱者たちがいる。 居場所を失った亡者が、 赤い花 散らし燃やし笑うのか。 狂いだしたこの地、 此方を見て、 手紙を捨ててしまう鳥は、 耳を塞いで、 置き去りにするのでしょう? 全てあなたの所為です。 あなたは消えたのか? 戻ることは無いのか? 裏返したままの絵、 手放して笑っている彼、 溢れ出る面影、 欲望を増して止まらずに、 主語を隠す文章、 消しゴムで消した音、 加速し始めた戯言に、 目を隠したくなる。 荒んだ光景に、 胸が締め付けられ、 苦しくなる。 底へ沈み、 別れを告げたのは誰? 視点を変え 束縛された、 無自覚の錯乱者たちがいる。 居場所を失った亡者が、 赤い花 散らし燃やし笑うのか。 狂い果てたこの地、 取り残された者が、 夢から醒めた時、 遅効性の毒が身体を回り、 全てが終わるのか。