両腕を失った体で、 甘い水も飲めずにいる。 衰弱し揺らぐ視界、 帰れなくなるのでした。 両腕を失った体で、 顔を隠すことは出来ず。 鋭い雨はやまずに、 聴覚が溶けていました。 それを支配していたのは、 土足で踏み込む人々。 短慮な害獣が、 掻き乱すのでした。 異常な此の世界で、 正常に戻れますか? 多くの者はそれを不可能とする、 その記憶も蔑んだのです。 見たいモノだけを見て、 欲望のままに動く。 酷く凄惨なモノから目を背け、 死に至るでしょう。 全てみんなの所為です。 両脚を失った体で、 歩くことも出来ずにいる。 語る声は騙られて、 戻れなくなるのでした。 両脚を失った体で、 窓の外を眺めてみた。 気がつけば辺り一面、 悪意で満たされていた。 支配していたはずなのに、 支配されていた人々。 止めどなく流れて、 押し寄せるメロディー。 ただゆるやかに忘れられ、 やがて塵となるのです。 それはとても恐ろしく、 未来はありますか? 異常な此の世界で、 正常に戻れますか? 多くの者はそれを不可能とし、 その記憶も蔑んだのです。 見たいモノだけを見て、 欲望のままに動く。 沢山の足の音に、 怖気づいていたのか。