携帯を落っことして、 拾おうとしたら、 孤影はなかったはずなのに、 俄雨が淡い光を帯び、 煌びやかな雨の粒が、 液晶の上で跳ねました。 道の真ん中に落として、 拾おうとしたら、 液晶に罅が入って、 動かなくなってしまいました。 蔑ろにする記憶を混ぜ、 夢から覚めることなく、 気づけば辺りは暗くなり、 かえれなくなりました。 湧き出たその水すらも、 飲みたくならなくて、 やむ終えず飲み込んでみたら、 噎せ返る様な味がしたので、 痛々しく演じつづけ、 日陰者を集めてみたよ。 溢れたその液体を、 掬ってみたけれど、 掌から零れ落ちて、 鏡像の上で跳ねました。 蔑ろにする記憶を混ぜ、 夢から覚めることなく、 雨はいつ頃やむのですか、 全てみんなの所為です。 蔑ろにする記憶を混ぜ、 夢から覚めることなく、 雨はいつ頃やむのですか、 全て███の所為です。 壊れた音の波に、 酔い痴れていたのか。