凍えた体を、 二分割した蟻の音、 賽の目に蜻蛉の羽を縫い、 亡き者の面影を視る、 毒見をする贋作が、 燭台を倒しました。 芍薬に生ず牡丹の絵に、 捧ぐ命は犇めき、 薫り、腐り、どろどろになり、 賛美が響き渡った。 両肌を脱ぐ成れの果て、 書物に隠されていた。 侵食されていく、 焦げ付いた心臓が堕ち、 隠密裏に進む目論見に、 妬みと感情を混ぜる、 悦びを感じながら、 死体を貪るのです。 没薬を真似る牡丹の絵に、 捧ぐ命は犇めき、 捻れ、羞じれ、泥沼となれ、 賛美が響き渡った。 心地よさが過ぎた先には、 肉は在りますか? 形骸化して溺れていた、 おぞましき絢爛たち。 芍薬に生ず牡丹の絵に、 捧ぐ命は犇めき、 薫り、腐り、どろどろになり、 賛美が響き渡った。 目を醒ますのは後で良い、 全てみんなの所為です。 何を求め、 何を追いかける。 沢山の腕が伸びて、 探られていたのか。