電子の海を、 清掃するアルバイト。 その海は、 果てしなく何処までも、 続いていく。 電子の海には、 沢山のゴミが流れ着く。 僕はただ、 好奇心でそれを 覗いてみるのだ。 黒歴史の創作や、 人々の言い争いも、 僕には全て、 川を流れる、 桃のように見えるのだ。 電子の海を、 泳ぎ渡るアカウント、 その海は、 果てしなくあなたに 向かって続くのだ。 遥か彼方 消えていった、 黒歴史のウェブサイトすら、 彼には全て、 川を流れる、 船のように見えるのだ。 時を刻んで、 言葉変わらずも、 人の声 糸紡いで、 流行り廃りも、 ひとつ ひとつ、 消えること無く。 電子の海を、 清掃するアルバイト。 その海は、 果てしなく何処までも、 続いていく。 電子の海には、 沢山のゴミが流れ着く。 僕はただ、 好奇心でそれを 覗いてみるのだ。 彼の作った傑作や、 人々の明るい談笑や、 遥か彼方 消えていった、 彼の思い出の場所すらも、 光り輝き、 我らを照らす、 炎のように見えたのだ。 僕は不意に、 何かの恐怖に襲われる。 それはただ、 忘れられた彼等の 恨み節なのか。