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蒼い輝きの裏、 渇望の坩堝、 窓の光に踊らされ、 離調したパルスを放つので、 甘く響く秒針が、 嘲笑うのです。 金釘で打ち付けて、 箱に詰められた、 後ろ暗い衝動も、 吹けば飛んでゆくのです。 夢へと堕ちゆく夢を見て、 囁きに耳を貸す、 昏い底に足は届かず、 露の如く消えました。 揺らめく赤い光へ、 誘われるように、 渇いた羨望の根が、 熱量を零し果てぬようにと、 源に瞳を向け、 瞬きが止まりました。 生じた深い闇に、 浮かび揺蕩うならば、 四肢の先を見失って、 神経が絡みました。 昏い底に足は届かず、 囁きに耳を貸す、 夢へと堕ちゆく夢を見て、 全て空白の所為です。 夢から醒めゆく夢を見て、 時計の針巻き直す、 白い果てに指は届かず、 全て██の所為です。 不可視の指先が触れて、 操られたのか。