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夕焼けに手を重ねた、 眩しすぎる記憶が目に見えていた。 日常は無機質に続いてく、音も影もなく。 温もりは何処かへと消える、跡形は消え去る。 短いこの言葉に私は何を思うのか? 僕は何も出来ない儘、 それすらも判らずに広すぎる世を彷徨った。 君のことを見ている他に無かったのです。 留まる、進めず、 歩いた、進んだ、 挫ける、出来ない。 追い掛け続けた。 逆さに傷つき、 直向な儘の、 願いは叶わず。 祈りは届かず。 その手を引き歩いて何処かへと、 何処迄も行けるなら貴方へと。 行ける迄遠くへと。 夕焼けに手を重ねた、 冷たく濁った身体で、 眩しすぎる記憶が目に見えていた。 触れることしか出来なくて。 何時迄も。 聞こえたなら出逢える、何時かにはきっと。 色彩は浮かぶでしょう。 いずれ色彩が浮かぶまで。 夕焼けに手を重ねた、 眩しすぎる記憶が目に見えていた。