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風に揺れる時計の針を、一人ただ見つめてた。 暗い闇に身を隠した、君は再び蘇りゆく。 背中を見て憧れ抱き、ひたすら追いかけてた。 その歩み、報われると信じ続けた。 緩やかに溶けてゆく、自己と他者の狭間。 崩れゆくそのナキガラは、 ナキガラは今こちらを見た。 三つなる顔渡り踏みとどまること知らず、名を語るだけのイミテイトが、 伸ばしていたその腕は小さな器を掴んだ。 七色に染る放射光浴び、泥だらけ咽び泣く。 自らの手で酔い知れるのは、全てあなたの所為で。 深い海に落ちていたのは、失われた暗闇。 君のいないアトリエには、悪寒が走り、闇夜に沈む。 鯨の唄が聞こえるなら、答えてくれませんか。 常世の記憶さえも消えず儘。 裏返り目を閉じた、静かな夢の中。 君の面影を見つめた、 君の面影は離れてく。 言いたいことすら言えず、形骸化した、歯車を止められないまま。 残痕そのまま目を啄もうとした鷹は、 絡んで、憎んで、妬み続け、空は真っ赤に染まる。 偽りに濡れたスケッチは、今も、 醜いままで。 嗚呼。深追いをし過ぎてたことに気づいてしまう。 まだ間に合うのならば、ここから立ち去りましょう。 白鳥の歌は時遡る。 三つなる顔渡り踏みとどまること知らず、名を語るだけのイミテイトが、 伸ばしていたその腕は小さな器を掴んだ。 七色に染る放射光浴び、泥だらけ咽び泣く。 自らの手で酔い知れるのは、全てみんなの所為で。 不審な熱源は手を振り別れを告げ、イルカは去っていく、海の中へ。 夢と現の境は隔たれていき手を取る。 歪みは取れないままの世界は、黒く染まり消え行く。 桜の花が散りゆく頃に、賽は投げられていた。 黄昏に沈むままの私。