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水面下に映る 亡骸のつぼみは、 迷妄を重ねて、 舟に流れ着く。 逃れた事はありますか、 歩み寄るモノ、 軽蔑すモノ。 身を委ねていた幼子は、 誰が為に生を縋るのでしょう。 指し示した慈悲は 朧に打ちあがり、 日に日に忘れていく 非我の拠り所。 伝えた事はありますか、 己は際涯か? 労しいのか? 行方の景色の警鐘は、 誰が為に生を縋るのでしょう。 我楽多とて咽び、 空の下で今に恋焦がれる。 形骸化した追懐は、 永久に変わらぬのでしょう。 継ぎ接ぎだらけなりの、 二畳半な艫は啄まれる。 独りより溟海に、 惨く浸かったまま。