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あなたに罪を着せ、 荒む街角の風になりて、 間違った記憶を辿っては、 明白な罪状に嫌気が差す。 白百合の影には、 耐え難い屈辱が佇む。 あなたをまだ忘れられずに、 またその場所へ向かってる。 空虚な心に立つ枯れ木が、 語るように木の葉を揺らして、 歔欷を孕んだ声が綻ぶ、 幽かな弔いの歌。 明暗がまざり溶けた芒が、 さらり、風に靡く。 幽かな光が導く、 視界の扉。 涯の帝に花びらが散り、 きさらぎの時を紡いだら、 幽艶な空廻った、 あなたは素知らぬ顔で。 飛燕を仰ぐ師に準えて、 鄙びた音奏で誂える。 深淵もただ、 水を掻き分け、 拘泥する蹂躙者。 明暗がまざり溶けた芒が、 さらり、風に靡く。 幽かな光が導く、 視界の扉。 心の内を洗いざらいに、 打ち明けるあなたに感化され、 警鐘鳴らす数多の既知は、 永劫回帰に非ず。 明暗がまざり溶けた芒が、 さらり、風に靡く。 幽かな光が導く、 視界の扉。 その儚さを説いていたら、 ジロリ、此方を見る。 死期が瞬く間に溢れ、 わたしを掴む。 空は変わらず僻む。 星は光らず消える。 倒れた体を起こして、 再び歩めますか? やり直せるのですか?