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誰も此処に居ない事、 私しか知らなくて、 何も此処に無い事、 誰も、知らないのか。 誰も此処に居ないなら、 私は何故此処に居るの? 何も此処に無いなら、 私は何故在るの? それは墨を垂らした夜空のようだった。 暗闇という名の空間に、 端などは存在し得なくて、 自ら意思を持ち歩かなければ いつまでも辿り着かないのです。 いつも此処に居ない事、 あなたは知らないでしょう? いつも此処に無い事、 誰も知らないでしょう? 突然此処に来た事、 誰も知ってくれない。 何も此処に無いなら、 見ているあなたはだれ? それは石炭を模したオニキスのようだった。 暗闇という名の空間に、 端などは存在し得なくて、 自ら意思を持ち歩かなければ いつまでも辿り着かないのです。