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濁した絵画で、淀めいていた。 錯綜して罅割れた身は、 鋭敏に映されていた。 罪悪の後に、這い寄る風は。 おぞましさと美しさが、混ざるのでしょう。 飾られて増えて行く、 金色の杙が、 蠢いてた、そのナニか、 手遅れの、そこのナニか。 形容が出来ぬのは、すすりと動いていたから。 産み落とされ、蹲ってた。 嗄れた呻きの意図が、言葉を重ねて。 思いを連ねて行くのでしょう。 婀娜桜触れて、息と成すほど。 老いの遅れなど、可逆さは、 願いか、僥倖と化すのか。 不明瞭の底で、赴くまま。 喜も怒も哀も楽さえも餌付くのでしょう。 足跡も静かさも、確かにふらつく。 輪郭は薄れていた。 輪郭は泥んでいた。 何を思うも未だ、息災がどよめくが。 出口は何処?町影を見た。 宿願に溺れた日を、伝えず儘に。 その音の綿密さには、 届かなくて。 嗚呼、途切れていった波を集めて。 今更何かを望み、 ただ答えを探せども、 有終の時の棄を衒うか。 形容が出来ぬのは、すすりと動いていたから。 産み落とされ、蹲ってた。 嗄れた呻きの意図が、言葉を重ねて。 思いを連ねて行くのでしょう。 形容が出来ぬのは、すすりと動いていたから。 産み落とされ、蹲ってた。 嗄れた呻きの意図が、言葉を重ねて。 怯えるナニかを見ていた。 輪郭はもう無くなった。