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冬のブランコ、ひとりだけ寂しそうに。 震える小さな歌声が、 報われていないことを、気にしているばかりで。 あーあ。 今は、君が居るだけでも。 雪虫が溶ける頃に、飛び降りる夢を見ました。 良い夢です。 また、ひとりになってしまいました。 あと、少しなのに。 この歌は、無駄ですか? 尊いですか? 雪は手に取っても、すぐに溶けてゆく。 …儚い命ですね。 蓼を食べる虫は、生き永らえると言います。 孤独な日々には、慣れていたはずなのに。 どうしてか、胸が痛いのです。 それは、囚われからの解放なのです。 もう、あなたを止める者も居ない。 浮世の旅の中で、感じたのは人の醜さ。 得られずの戯言共よりも、見掛け倒しの美しさを背負う者の。 無責任な世迷言の方が、不愉快でした。 雪が降りはじめた夜、皆は飛び起きたことでしょう。 私もそうでした。 これから先も忘れることは、 無いのでしょう。 後悔の念が、語りかけてきた。 隠し事は、優しさです。 蔑ろにした記憶と俄雨が、涙目で見つめていたよ。 因縁や憎しみを歌えば歌う程、深まる不思議な愛。 背中の方から朝日が昇るのに、哀しきワルツが響いていた。 大丈夫ですよ。 いつか、また会えるでしょう。 夜は、必ず明けます。 三つ編み揺らす少年は、あなたを迎えに行きます。 水を求めて遙う待ち人の、肩を叩いてみたのです。 喜びも、怒りも、悲しみも、 その全てが、掌から滑り落ちた。 因縁や憎しみを歌えば歌う程、失せてゆくはずなのに。 まざまざと思い出す、亡霊の顔。 亡霊は、こちらを見た。 別れの時は、少しでも笑顔で居て。 雪は手に取っても、すぐに溶けてゆく。 臘雪の公園で。 蓼を食べる虫は、安らかに眠った。

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2024-12-18(ver.1470)

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