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それは夢の世界を写すようで、 閑散としていた景色が、 旱の先へと手を伸ばし、 灯りを求め彷徨うのでした。 それは鎌を振り翳すように、 枯れない歌を口ずさんだ。 深い傷を埋めるように、 そっと願いを込めた。 あれは蝶が優雅に飛んでいるみたいだった。 希死念慮が飛び去ってしまったので、 どこかへと旅に出ようと足を踏み出した。 細切れの街を遠目に見ながら、 青空の下、あなたの姿を追いかけて。 それはまるで夢の続きのようで、 グラグラと揺れて見えるのか。 光で目が眩み泣き崩れ、 指先を掴み手を取りました。 それは華奢な思いを捻じるように、 廃れない歌を口ずさんだ。 浅い絆を刔るように、 願いを胸に抑えた。 あれは蛾の群れが纏わりつくみたいだった。 希死念慮が飛び去ってしまったので、 どこかへと旅に出ようと足を踏み出した。 細切れの街を遠目に見ていた、 夕暮れの下、あなたの景見を追いかけて。