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身を挺して失えば、 削ぎ落とした指先から、 伸びていた、 赫い意図の陰りを染み込ませて。 身を挺して失えば、 魂の火を見舞いにゆく、 騙るなら、 百物語が終わる時にしよう。 訪い人の肖像の奥、 靡かない星座に惹かれたら、 謀っては回り出す声の向かう方も、 ただ浅はかなまま。 途切れた歌の隙間、 死に晒す地平線。 凶夢の夕日を惜しむ嘶きもまた、 視座から滑るの? 肯いを待つ花筏、 次事を見る金属片。 白夜を音の双翅が渡ったままで、 蹲る亡者の様だ。 彼が細胞ならば、 来世で会おう。 全てを償うのです。