: 2909
何かに操られた此の身は、 あなたに近づく事はできず、 誰かに造られた此の世で、 わたしは変わらぬ夢を見る。 当為的に閉ざされた、 壁の奥に、 映る限りの無い光が、 目に灼き付いて残る衝動が、 わたしを壊したのです。 有限個の可能性の中、 意識さえ身を委ね、 移り変わりゆく理に、 未だ常に支配されていた。 何かを操るこの場所で、 誰かに徒花が咲き誇る、 わたしを造るこの場所には、 あなたは存在しないのか? また一人と息絶えてゆく、 静まり返る火点し頃、 廻り続ける時計は、 既に壊されていた。 有限個の可能性の中、 意識を身に宿して、 変わる事の無い理を、 いま無情に支配していた。 交わる事の無い世界が、 強制的に繋がりだし、 何時か何時かと待ち続けて、 やがてあなたに支配される。