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彼はそこにいてはならない、 誰にも見つからないように、 彼がそこにいないのならば、 命火は消える事が無い。 孤独で独り佇んで、 心すら閉ざすのでしょう、 一人でここにいるのなら、 誰がそこにはいるの? あれは薔薇の華が枯れたの時の様だった。 不死鳥という名の弱虫が、 欲望を更に膨らませ、 我々だけを苦しめて、 輪廻から視野を遠ざけるの。 時を止めて壁を見つめる、 誰にも見つからないように、 夜には花が咲いているの、 思い出も消えてなくなるの? 寂しい朝に一人また、 心から悲鳴がするの、 一人でそこにいるのなら、 僕がここにはいるの。 それは雪が溶けて沈んだみたいだった。 真紅に染る名のない星に、 羨望を長く引き伸ばし、 自らの手で指先を切り、 初めてそこで そこで気付く。