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雨が降る月の出る夜に、 あなたが手を振り待っていた。 虚空に咲いた疑念とは、 嘘に微睡むモノでしょう? 感嘆とか、 慨嘆とか、 自ずと消えるのを待つのみなので、 絡まった欺瞞の渦に、 私は意味を探ろうとして、 朽ちた記憶を無くすなら、 それで良いのでしょう。 隠れた声も、 見えない音も、 全部全部信じていたいのです。 消えゆく、過去の思いを、 軌跡を辿り探し出しました。 雲夢に苛むあの音に、 全部捨て去ったのです。 壊れた過去の思いは、 もう二度と表れやしないので、 何度探しても無駄なのでしょう? 全部嘘なのだから。