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いつの日か夢見ていた。 あなたがそこにいない、 なんて信じられず。 いつの日か夢見ていた。 静かに融けゆくモノ、 それすら見えずに。 いつの日か忘れていた。 あなたの声も顔も、 元より無かった様に。 いつの日か忘れていた。 確かに掴んでいたはずなのに、 消えた。 いつも、 隣、 そばにいて、 声を聞かせてよ。 あなたは今どこで何をしていますか? 聞こえているならどうか答えてよ。 やおら飛び立つ羽も幸せに見えたら、 何もないはずの世に、 生きていられるのはどうして? いつの日か隠していた。 鏡の中に映る、 虚像が手を振る。 いつの日か隠していた。 今更嘘だなんて、 言い出せずにいた。 いつの日か失くしていた。 心の裏を過る、 不可逆的な今日も。 いつの日か失くしていた。 もうそこにはいないはずなのに、 見えた。 今も、 隣、 そこにいて、 笑ってみせてよ。 あなたは今どこで何をしていますか? あなたは今どこで何をしていますか? どうせ変わることなんてできないはずなのに、 おぞましく、愚かしく、 生きていられるのはどうして? あなたは今どこで何をしていますか? 聞こえているならどうか答えてよ。 やおら飛び立つ羽も幸せに見えたら、 何もないはずの世に、 生きていられるのはどうして?