: 12368
: 836
蕾が惚ける朝陽の中、 がらりと鳴る庇しの間道。 一番星のあの子の影は、 幼さ故に潰れてしまって。 手捏ねして、継ぎ目を訪(なぞ)る、 駄作ならご破算にしてしまおう。 混ざり切れない二つの水が、 逃げ遅れて、 忘れられたの? 繰り返すモノ、 翻すモノ、 中空(ウツロ)に醜さを映す模様。 昏かったでしょう、 怖かったでしょう、 誰かの所為にしたくなったでしょう? 常夏の風は頬を掠め、 弾んで静かに火に入るのだろう。 ゲル状の街、 藍晶の味、 全てあなたの所以です。 一緒に帰ろう。