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辿った道は戻れずに、 闇世の中に取り込まれて、 あなたの声など聞こえず、 彷徨っているでしょう。 隠された意味を求めて、 骨身に応えて溺れていく。 まわりの中枢には見えず、 それゆえ舵を切る。 空虚になった、 雲を見ていた、 水跡を頼りに進んだ。 卑弱に溢れてた、 十六夜の間雨、 行く末知らず。 仕舞いに近づく日々でさえ、 懐かしく想うでしょう。 独り郷愁を見つめていた、 思えば遠くへ来ていたの。 停車駅に着いていたが、 雨靄は晴れぬまま。 零れ落ちていた、 罪を着ていた、 薫る秋風に消えていた。 正しい声さえも、 施す譏りの空に隠れていて、 仕舞いに遠のく日々なので、 均しく感じるでしょう。 卑弱に溢れてた、 星芒の間雨、 行く末知らず。 無謀に潜んだ水銀に、 気づかずに触れていた。 失踪、 モノクロを失った、 雨夜を視ていた、 戻れない処まで来ていた。 時雨、 甘雨、 夕立に去ったのは、 全てあなたの幻化です。