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有り触れた話をしようか、 夜空の星に願いを響く声。 目を逸らさずにただ見つめて、 雨の音だけが聞こえる。 擦れ違う言葉は溶けてゆく、 ただ気紛れで、 でも緩やかに。 透き通った世界の中で、 揺れている記憶に呑まれてゆく。 有り触れぬ話もしようか、 暗い夜空に浮かぶ星。 目を逸らさずにただ見つめて、 風の音だけが聞こえた。 擦れ違う視線は堕ちてゆく、 ただ気紛れで、 でも緩やかに。 瞼の奥に残るような、 夜に呑まれる迄は。 ゆらゆら、 影は消えて。 紛い物の憂いと成る。 それなら、 意味は消えて、 不釣り合いに、 全てが終わったの。