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安寧の夜を希えども、 何も見えないのですか? 戸惑いと積怨の、 体現者らが、煙を立てる。 肺に潜り込む怨言が、 無辜の民を、巻き込んだ。 失い続け、此処へ着きました。 盃中の蛇影が蠢いて、人々を騙すのです。 撓む人陰の雲散と、 傍観者達には忿懣を。 安寧の夜を希えども、 何も見えないのですか? 己が旗幟を隠せば、 仮初の閑適を、得るけど。 何時かは薄氷を踏んで、 理想論と気付くでしょう。 千慮の一失から、学べずに。 「相手変われども主変わらず」に陥るのです。 滲む聖水は散りゆくが、 靠れた儕輩を弑するか? 彼方の星にすがりつくのは、 全て貴方の為です。 浮世を離れる為に、 他者の擬声を上げた者は、 やがて腐り落ちてしまうのでしょうか。 枯れ木に花が咲くと願って、 また徴を付けるのです。 神錆びた鳥居をくぐれば、 微かに香るその偶然を、 悪気など無く、噛み潰したよ。 浅慮にすぎないと知らずに! 撓む人陰の雲散と、 傍観者達には忿懣を。 安寧の夜を希えども、 何も見えないのですか? 彼方の星にすがりつくのは、 全て貴方の為です。