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道を照らし出す、 朧月を眺め、 もう蘇る事も無い、 忘れかけたその名前も、 冷たい夜には、 影が並んでいて、 風の征くまま漂って、 心の奥にしまい込む。 暦が告げる終わりの日、 移ろいは目には見えなくて、 落ち葉に載せるいろは歌、 祈りを捧げました。 月日は流れ 目も口も、 意味を成さなくなってもまだ、 心の奥で光っている、 全て傾斜の所為です。 雪が降る頃には、 手紙が届くでしょう。 まだ再会を諦めず、 期待を寄せてしまうのでしょう。 固く結ばれた、 糸は解けなくて、 その言葉が確かなことを、 証明してしまうでしょう。 暦に刻む合言葉、 幻想の様な木漏れ日も、 遥か彼方から描き出す、 死に花を咲かすために。 月日は流れ 目も口も、 意味を成さなくなってもまだ、 心の奥で光っている、 全て傾斜の所為です。 月日は流れ 身も朽ちて、 意味を成さなくなってもまだ、 心の奥で光っている、 全て の所為です。 夢から覚めても、 余韻は残っていて、 今宵 月に照らされながら、 息絶える。