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美しい歌が聞こえた 暖かかった 水面が風に波打ち 優しそうだ 誰かが鈴を鳴らす 呼ぶ声が近付いてくる 朧気な月光の下で 約束を交わしました 君が助けを求むのなら 僕は直ぐ様出向きます 白く輝いたその姿を 永久に守ります 心地良い歌が聞こえた 天使の様だ 何だか声が薄れてゆく 錯覚なのか 落ち葉が水に靡き 軈て塵芥になろう 寝言の様なことを言おうと 何も変わらないのだろう いつもの様に手を繋いで 江の底へと沈みゆこう 明日はきっと明るくなり ぐっすりと眠りましょう 楽しいけれど惜しいんだよ もうお別れの時間です どうか悲しまないで下さい 僕は只 君の夢へ行った 泣きながら自分を非難し どうして約束に背くの 避けられる結末なのに 涙ぐんで眠り込んだ 寂しい僕は君と出逢った 幻の夢の中で もう一度君と一緒にと 惚けた僕は 囈語を吐いた 寂しい僕は君と出逢った 泡沫の夢の中で