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木目を仰ぐ蜘蛛の糸から、 小さな花弁が舞散ってた。 届くは行かず咎人が、 自らの因を探す。 除いた人格は実ですか。 怨嗟に滲む、 勇姿に終わる。 静かに過ぎるは語り手に、 行く末望むのでしょう。 啄む思慮や意味を知る愚と、 此の世を追い駆ける数多と為る。 慮(えんりょ)はいらず唆されて、 生贄を担ぐと言う。 省いた人格は確かですか。 浮世に爛れ、 旋律を這う。 手の届かぬ合間に見下ろされ、 刹那に聞く者と為る。 切り替わる意思と、 現に去る所以に、 事は足らず、 虚実すら分からず、 絶えず泣き叫ぶ。 切り捨てる物と、 拾い上げる物は。 故に響き、 相反する時に、 抉り抜くのでしょう。