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語る、見えてる、その電柱が。 伝う、届ける、その細胞と。 辿る、犇めく、その鳴き声に。 今は忘れて、行く朧げに。 歩く止まる末で得た、 虚無感と満ち潮。 目は使えず、狂った羅針盤を頼っていた。 書き換えた、史実の中、 腐り落ちて消える。 水面へと迷い続けて落ちた。 揺れる影の縁が、 手の裏を横切り、 唆す毒針を解く、 浮き始めていたい。 残像に縛られて、 逃げ水を啜った、 指の先鼓動を伝う、 視界の外へと。 誘(さそ)う、誘(いざな)う、開けた音が。 違(たが)い、違(ちが)うと、また崩された。 己が身をただ預けきれずに。 夜が老けては廃れていると。 作り出す仮の世と、 濁りだした日照り。 祖は語れず、血塗られた証明を手に握る。 占い出す語は讃え、 風習の生贄。 咎められた? 是とす誰が滲んだ。 揺れる影の縁が、 手の裏を横切り、 唆す毒針を解く、 浮き始めていたい。 残像に縛られて、 逃げ水を啜った、 指の先鼓動を伝う、 視界の外へと。 見え隠れした音の園は、 答えを見つけられず、 使い捨てられ、 纏わり付いた記憶、 なのに、どこか苦しく。 例え偽と謳われど尚、 答えを見つけられず、 古ぼけて行き、 囲われた邂逅に、 己が責を果たした。 全て事象の所為です。