この手にハリネズミのような 電波を持ち 鑢をかけた 夜の街が鈍く輝く 捻じれた蝋燭の如く 秩序を断ち 分綴した付和雷同な 焦点を模る 繊維の中の聴覚が 遮蔽の終わりを告げる あなたの厭わしき 願い事が叶い カーテンが再生をしていると 枝が伸びて フィラメントを覆い 陰を生み冷媒が育った 海は青白く 不気味に光っていて 木偶の坊を笑ってるようだった 愛おしき立方体が 砕け、割れる。 全てすべあなの所為です。 強い言を手回しにされた 糸を吐いて 痛痒を感じない 暖炉を弔う 不遜の回生ブレーキが 遺灰を撒き 痩せこけた地回り船が 閃光に先立つ 木霊するコロイドが 照度の穢れを告げる わたしの浅ましき 離岸堤が崩れ 望遠鏡が警鐘を鳴らし 彫刻の一等星が 鉄の天秤に 融和し始めた 水の分子から 変則格な黒い 密告者が錆びた線路を洗い 不条理な愛唱歌を 歌い、叫ぶ 全てすべあなの所為です。