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嗄れても名を呼んだ。 拡声、 路地の標、 澱、 不遣雨と別れ、 語り部を寄越さないで、 記憶を何処にも残さないで。 隔世、 鳥を見つけ、 折、 彼のようにと言種う。 衍々哭く、 点々零つ、 変幻たる、 睥睨する、 際限無い、 遠回りの末、 帰りつけるだろうか? またね。 爛れ剥がれ給えと噛み付いて、 悪感情の多頭飼いで満たされて、 孰れ道連れに縺れ込んで、 盲に憑かれても、 見失わぬヨウに、 去りた貴方に据えて。 稚拙に踊り、 時化る神籬、 盈満の咎、 隻眼と靄、 杻械は外れ、 自暴自棄(やぶれかぶれ)、 手繰れ紛れ、 寒気と逆燻。 嗟来の食にも死に物狂いで、/化野 意志を未知と放り投げ、 余喘を保つも前途多難で、/所詮もふ明ける夜で不図屈んで、 徒花の盃で盞結ひ(うきゆい)を、/端から藻掻かすに寝首掻けば、/未だ未だ叩かせてよ出た杭を、 手記の杭を抜き終はらせやふ。/無理 怖いと避け拒んだの。/愚者に枚挙が無さすぎるよ。/昔話は聞き飽きたの。 畢竟 目睫の間に、 貴方の影が見えず、 今に泣き出しそうでも、 何時かの声に、 罪科の御手に、 ついていくから。 反響(ハウリング)、 飛ばす禁句、 兎角陣腐、 豚に真珠、 奴儕に轍鮒。 音の割れた救助要請(SOS)。 聞こえた気がして、 振り返らずにいられなかったんだ! 量れ 魂の釐等具で、 悪感情が荼毒を増して、 蝕んで。 済み済ましにした所で、 運次第の遊び(ゲーム)の弥終は果敢無いでしょう。 擂り警鐘を鳴らせ! 垂迹に、影向に、牴悟くことで、 無碍光も届かない、 掬いようが無くなっていく、 云わば其れが唯識の顕れだとしたら、 所詮穢れに穢れた私だった。