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闇夜に飲まれる月明に、 何を願うのですか? 無意味と知りながら足掻いていた、 わずかに残る望みを辿って、 遺棄されてにじむ世迷言は、 私を強く縛った。 膨らむ不平不満を、 擲つことはできずに、 募らせ続け、 溢れて行く想いを、 恨み、怨み、憾み、続けるでしょう。 誂えた隠微は擁されず、 朽ちた思い出を韜晦して、 闇夜に飲まれる月明に、 何を願うのですか? 歪んだ秤は黒く染まって、 意味もなくただ叩き壊された。 如月に咲く夜月の中で、 あなたを見つめてるのです。 膨らむ焦燥の音が、 蝕み始めたのです。 燻る想いに、 如何か、如何か、願って、 逃げて、逃げて、逃げ続けるのです。 誂えた隠微は擁されず、 朽ちた思い出を韜晦して、 闇夜に飲まれる月明に、 何を願うのですか? 崩れた赤い月は、 醒めない夢に堕ちてしまうでしょう。 妬み、僻み、また謗るのは、 現世の定めでしょう。 誂えた隠微は擁されず、 朽ちた思い出を韜晦して、 闇夜に飲まれる月明に、 何を願うのですか? 黒く染まった夢の中、 全て月夜の所為です。