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だれも知らぬ箱の中息を潜めている、 誰かからの引力を感じた。 夜明けを待つ命題に縦も横もないとしたら。 あなたは既に謀られているのか。 掠め取られた目印の主も知らないで、 とうに奇怪な理由と走り出した、 対の駒に罪を背負う資格があるのなら。 重なる影を証と見做すのか? 「灯り」が二つある、 呵責の痕も二つある。 軈て地平が無限遠で交わるような... とおく戸を塞ぐ耀きを在るべきとする。 イデアの示唆、折り目の褊隘さと裏腹に、 それは約束を焚べた烙印で、 欠如がやがて白紙となる。 砂海に音を積み続けて。 底抜けた空箱に添える声色を変えた、 のぼせて逃げ出した双葉を諌めて。 バツを受ける例外に差異も席次もないのだから。 「木偶の坊」と名付けられ放たれた... 抉り取られた赤色はなぜか赦せなくて。 「凱歌」を止めてから、手を斥ける。 牙を剥く誤謬の前には声も筆も途切れるから。 だれの救いをも受け取れないの? 朱雀の掬いを混ぜて、今も若芽を摘む、 ガスの余韻を残そうと図りながら、 薪は土を捏ねて作っていると知っているのなら、 まるで叫ばずの変化へと誘うような... (息を潜めても、) (意思を掲げても、) それは押し並べて息の根を止める沙汰だ。 羨んで、 もう一度地に堕ちて、 キが付けば死んでいる! 「さよなら」の共鳴が不幸を呼ぶ。 同じ色で塗られているのに、 漏斗を割ることも出来ずに。 狂う水面を鎮めようと、 刃は留まらないのだろう。