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穴の空いた心の内で、 陰鬱な影が近づいて、 目が眩み、 周りが見えなくなるのでした。 自室の中、閉じこもれば、 電子の海に泳ぎ始め、 現から目を逸らすのは、 もうやめにして。 呼び鈴が鳴る度に 顔を顰めるのはもう やめてくれよ。 知るべきモノを知らずに、 平穏を騙る。 誤りを正す事をせず、 深い深い海に堕ちていく。 その先にあるモノは、 無為なだけの末路です。 思い詰め溺れてしまい、 廃人と化す。 全てあの日の所為です。 掠れた目は何も捉えず、 箱の中だけを見つめ、 空っぽの抑揚の無い、 声を聞いていた。 卑屈な感情が膨らむ、 歪んだ悩みが芽生える、 それだけの為に 全てを棄てるのですか? 沢山の人々に取り憑く、 青い鳥が、 鳴き続ける。 狭い世界で、 目が覚めた時、 過去を笑えるでしょう。 泥濘から逃れようと、 抜け出そうとするのか。