慨嘆の巻く塒、 瓢列して、錘となる。 目に映るは、 見ゆ、偃月の亡き焦燥の陽炎。 手にかけた范蠡月、 相剋の成せぬ擡頭、 頑なに重んじた、 愚者の声は聞こえぬのです。 意味の無い紛紜には、 縁が無いと念う語り手は、 頭を抱え、 逃げ続けていたの! 小雨降り続く夜に、 刺殺しました。 形骸化した君の瞳は、 酷く美しく見えていたよ、 不快な音を鳴らして、 無い爪を立てました。 記憶を辿ることは出来ずに、 盲信となる。 全て月夜の所為です。 手に架けた月の宴、 掃蕩に惑う神月、 くだらない憤懣を、 忌み嫌った愚者の窮愁。 涕位に溺れる、 顧みもせず、 強く、強く抱きしめて、 戻らない往日を捨て去って、 全てを忘れて帰した。 翳る日和は揺らいで、 時はまた私のモノとなる。 無縁と宣うあなたの所為です。 まだ許せない、 既往の月は、 嘆ずる夜に、 堕ちて往く。 五臓六腑に撃ち込む様にと、 針を刺すのでした。 小雨降り続く夜に、 刺殺しました。 歪む音に耳を澄ませた、 反故にするあなたが悪いから! 失墜した世迷言は、 とめどなく降り注ぐ、 記憶を辿ることは出来ずに、 殺されました。 全て月夜の所為です。