: 1990
: 102
零した風が芽吹いた、 息が消える世界、 諌めたって海が啼いてた、 星夜が沈む灯りよ。 離された、 枷が今も呻く、 朧が未だに残る、 明けの海の底、 潜んでいた僕は消える。 ならず者の目が、 時の中で、 荒んでいた。 似せて作る浮世の空、 僕は沈んだ儘で。 悲しい風が吹いていた、 暗く狭い場所で、 掠めたって揺れて動いた、 後ろに佇んでいた。 人影の、 形が消え去っていく、 水面に解けて消える。 未だ上の空が、 霞んでいた。 息が止まる。 ならず者の目が、 時の中で、 荒んでいた。 似せて作る浮世の空、 僕は沈んだ儘で。