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間遠を嘆いた、 葦が振る舞いました。 指先をなぞるように、 頷くばかりです。 檄を飛ばした、 黒い汁が零れた。 どこか懐かしくて、 見覚えがあった。 皓皓と輝いていて、 目が潰れそうで、 耳朶をかすめる小さな声に、 惑わされないで。 だが、失敗したようです。 また、人が消えたの? ああ、殆呆れます。 ただ、そっと記録をした。 コペルニクス的転回を、 行える程知恵はなく。 小説は事実よりも、 奇妙なものです。 道の先では、 標識が意思を持つ。 已己巳己の対立には、 目を離さないでください。 ジメジメと羽虫が舞う、 羽虫は群れを成す。 群れを成すものでも、 一匹一匹は、 弱かった。 ただ、見つめていることを。 また、忘れていたの? ああ、殆嫌になる。 だが、異変は蔓延る。 誰が、何を言おうと変わらず。 永遠の相の下に、俤が在る。 希望的観測かは分からないが、 偏った価値は無価値な儘。 物事の本質は、 いつも見えづらいもの。 ああ、殆呆れます。 捏造だらけです。 だが、失敗したようです。 また、人が消えたの? かつてのモノクロ写真は、 可笑しな色になった。 我々は重大なものを、抑えきれませんでした。 記憶は、正しました。 記録は壊れました。