: 6034
: 201
昇った行方を晦ました、 飛び降りる夢を見たのです。 空を見上げていたの、 ただ、ただ、ただ。 亡くし者を捜しては、 虚しくなるのが常ですが、 残り、佇んだのは、 感情の意味でした。 触れた指先、少し寒くて、 消えた色に縋っていたくて。 あの眼差しさえも、 思い出せなくなっていた。 鳥居をくぐれば涙さえ、 地に堕ちずいるでしょう。 道なき道を進んだ、 何時か、会えると信じていた。 霜焼けに隠れていた、 青く冷たい街で。 高く座って、悪態を吐く。 雪の白さに、また呑み込まれ。 心に棲み付いた、 醜いバケモノ達は、 消える事などは、無い様で、 蠢き続けるでしょう。 あの眼差しさえも、 思い出せなくなっていた。 目に映るものだけを、追い続けて、 草木も眠るでしょう。 傲岸、 渇望、 妬み、 強奪、 倦怠、 暴走、 情欲に纏われて、 身動きも取れなくなった。 葵、 茜、 楓、 菘に見惚れたのは、 全て貴女の所為です。