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冬枯れの己の内に、 何を見つけるのですか? 淡雪に埋もれし記憶を、 嘆きつつも掘り起こす。 曖昧な境目渡り、 在るべき場所を探す。 漂う寒気の中で、 遂に辿り着いたのは何処? べつ心をなぞらえども、 真意は伝わらぬままに。 堅固の遮蔽の二度音が、 凍てつく心を打ち砕く。 冬枯れの己の内に、 何を見つけるのですか? 刻一刻と春めく空に、 遂に解答はあるのだろうか。 薄陽に蔽わる追懐を、 辛うじて辿る小逕に。 凍てついた幻想を溶かし、 そこに在る真実に辿り着く。 寂寥の底に潜むものは? 陽光に包まれるのは? 触れんと欲して及ばず、 まだ朦朧と佇んでいた。 堅固の遮断の五度音に、 冽やかに包まれながら。 冬枯れの己の内に、 何を見つけるのですか? 揺蕩う蕾に、 朧月の光を訪ねつつ、 ひこばえの兆しを見守り、 燦爛と躍迴る。 堅固の遮断の増九度、 冽やかに包まれながらも。 冬枯れの己の内に、 何を見つけるのですか? 未だ見ぬ、己の内を、 探し続けるのです。