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巷で聞いた噂を、覚えていますか? 形而上、不可視に囚われて、 目を瞑っていた。 唾を吐いて忌諱に触れるのに、辯解をする? 鶴の一声で崩れ行く、脆い存在の集まり。 情報が錯綜する場で、気付いてしまいました。 些末なことが、肥大化した。 隙晒した、許りに。 他者から見れば、哀れでしょう。 液晶に彼の名前も刻まれ、 後悔先に立たず、ですが。 悲願、花は枯れていた。 死と隣り合わせになった、赤く染まる部屋で。 あなたは、好きですか。 ランプに照らされて、見世物の宿命。 拒んでしまったなら、不条理な結末。 秘密に意味を重ねるの、必要ですか? 語り部は疾うに絆されて、不気味な音を鳴らしていた。 盲者が、言葉を失った。 盲者に、ならざるべきか? あなたはいつから居たのです、回答は求めません。 いつか、面が割れるのでしょう、 兎も角、意欲だけは溢れている。 後悔先に立たず、ですが。 悲願、花は枯れていた。 死と隣り合わせになった、赤く染まる部屋で。 あなたは、好きですか。 知らぬ人々の、名が流れて。 もう、諦めて。 遥か昔に少し、 小耳に挟んだお話です。 他人に縋り漂う、 全て貴方の為です。