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幸福だと思い込んでは、 答えを求められずに、 片手で誰かの絵を描いては、 楽に死んでいくのです。 苦い飴を齧り飲んだら、 下水と混ぜられていき、 点の意味すら理解しないで、 くだけた笑顔で語りました。 脱落して、 殺意が生まれ、 古の唄を只歌うのです。 問題を掲げた者は、 我流を貫き通し、 足掻いても身体は動かずに、 終焉を待ち続けた。 謎の言葉で会話する者、 意味を知ろうと琢磨する者、 誰も彼も名前を忘れ、 踊り狂っているのです。 今を生きる劇薬の群れ、 麻痺した両手の隅は、 始まりを知ったあの時から、 退路を失った。 妥協に妥協を重ねては、 全てを無に還し行く。 住処を無くした愚者たちは、 無駄な抵抗を続けました。 野分に生まれ、 伝承して、 巣を掘り返して只嘆いている。 問題を解こうとしても、 両手が上手く動かず、 頭に流れてくる幻聴は、 今も聴こえているか? 謎の言葉を消し去る者、 意味を知らずに採り上げる者、 誰も彼も名前を忘れ、 立っている儘なのです。 身体を無くし、 進むことすら儘ならぬ儘、 全て匿名の所為です。 問題を解こうとしても、 両手が上手く動かず、 頭に流れてくる幻聴は、 今も聴こえているか? 謎の言葉で会話する者、 意味を知ろうと琢磨する者、 誰も彼も名前を忘れ、 踊り狂っているのです。 一へ変えた電波は、 私たちを嘲笑い、 古の唄をかき集めて、 我流を捨てるのでした。